Instagramを運用していると、エンゲージメントという言葉を耳にすることが多いです。しかし、Instagramの運用を始めたばかりの人の中には、エンゲージメントが何を指す言葉なのか、よくわからないという人も多いでしょう。
エンゲージメントは投稿に対するユーザーからのリアクションを総括した指標です。エンゲージメントの数が多いと、Instagramから価値の高い投稿であると評価され、より多くのユーザーの目に触れやすくなります。結果的にフォロワーの獲得や自社サイトへの流入に繋がるので、アカウントを成長させたいと考えている企業にとっては重要な指標です。
今回はInstagramのエンゲージメントについて、各数値の説明や重要性、エンゲージメント数の上げ方などを紹介します。今回の記事を読めば、エンゲージメントについて正しく理解した上で、エンゲージメント数を増やす施策を実践できるようになるので、ぜひご覧ください。
Instagramのフィード投稿におけるエンゲージメントは3種類
Instagramにおけるエンゲージメントとは、ユーザーが投稿に対して行ったリアクション全般を指す言葉です。エンゲージメントが高いということは、より多くのユーザーに何かしらの感情変化を与えたということになります。
Instagramのフィード投稿においてエンゲージメントに該当するリアクションは以下の3種類です。
- いいね
- コメント
- 保存
上記のリアクションはユーザーが投稿に反応する目的によって使い分けられることが多いです。それぞれのリアクションが使われる目的を理解すれば、特定の数値を増やすための施策も考えやすいので、しっかりと理解しておきましょう。
いいね
「いいね」はInstagramにおいて最も気軽なリアクションです。基本的にはポジティブな感情を抱いた時に利用されることが多いですが、ワンタップでリアクションできるので、投稿を閲覧したことを知らせるために使われることもあります。
気軽に利用できるため、瞬間的な感情変化があった時に「いいね」されることが多いです。よって、投稿の中でも占有率が高く、一目でユーザーに印象を与える画像のクオリティが「いいね」の獲得に影響する傾向があります。
「いいね」に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
コメント
コメントは投稿に対して文章で反応できる機能です。言葉で具体的に反応できるので、投稿内容に関する感想や質問を伝えられます。コメントによるユーザーとのコミュニケーションはマーケティング活動や商品開発のヒントになることもあるので、企業アカウントにとっては重要なエンゲージメントです。
ユーザーに質問を投げかけるような投稿はコメントがつきやすい傾向があります。また、ユーザーに特定のキーワードでコメントすることを促すような投稿でコミュニケーション量を増やすという施策も有効です。
コメントに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
保存
投稿の保存もInstagramにおけるエンゲージメントの1つです。Instagramでは投稿を保存することができ、保存した投稿を後から見返すことができます。
保存するユーザーの多くは後でもう一度見直すことを前提としているので、役立つ知識やノウハウを紹介している投稿や、商品やサービスの情報に関する投稿が保存されやすい傾向にあります。
保存について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
Instagram運用ではエンゲージメント数が重要な指標
Instagram運用においては、エンゲージメント数が重要な指標となります。エンゲージメント数は各エンゲージメントの数を合計した数値であり、以下の計算方法で算出可能です。
- エンゲージメント数 = いいね数 + コメント数 + 保存数
エンゲージメント数はアカウントや投稿を分析する上で頻繁に利用することになる数値なので、算出方法をしっかりと把握しておきましょう。
エンゲージメント数が重要な理由は次の3つです。
- ユーザーの求めている投稿が分かる
- ユーザーの目に入りやすくなる
- アカウントの影響力が高くなる
詳しく見ていきましょう。
ユーザーが求めている投稿が分かる
投稿のエンゲージメント数を確認することで、ユーザーが求めている投稿を推測できます。エンゲージメント数が高いということは、投稿に対して多くのユーザーが反応したということです。つまり、多くのユーザーにとって関心の高い投稿であったと判断できます。
エンゲージメント数の多い投稿の傾向を分析し、投稿内容を改善していけば、ユーザーが求めている情報を発信し続けることが可能になり、各投稿のエンゲージメント数も高い水準に保つことが可能です。
投稿がユーザーの目に入りやすくなる
Instagramでは、エンゲージメント数が高い投稿は質の高い投稿であると判断され、ホームタブで上位に表示される可能性が高まります。結果、より多くのユーザーから閲覧されるようになり、さらなるエンゲージメントの獲得に繋げることが可能です。
また、Instagramではエンゲージメント数が高い投稿ほどおすすめ欄や発見タブに表示
されたり、フィード上でレコメンドされる可能性が高くなります。Instagramは他のSNSに比べて拡散力が弱く、おすすめ欄や発見タブに表示されるか、フィード上でレコメンドされる以外でフォロワー以外のユーザーに投稿を閲覧してもらうには、検索機能で能動的に探してもらわなければなりません。
フォロワー数や自社サイトへの流入を増やすためには、フォロワー以外のユーザーに投稿を見てもらう必要があるので、エンゲージメント数の高い投稿を分析することが重要になります。
アカウントの影響力が高くなる
エンゲージメント数の多さはアカウントの影響力にも繋がります。Instagramにおいてアカウントの影響力を測る指標にはフォロワー数が使われることが多いです。しかし、フォロワー数が多かったとしても、アカウントの投稿に対してユーザーが何の反応もしないのであれば、影響力が強いとはいえません。
アカウントの影響力を考える際には、フォロワー数とともに投稿のエンゲージメントが多いかを確認することが重要です。エンゲージメント数とフォロワー数が近ければ近いほど、フォロワーの熱量が高く、健全に運用できているアカウントであると判断できます。
Instagramにおけるエンゲージメント率の計算方法
Instagramではエンゲージメント数とともにエンゲーメント率も重要な指標になります。エンゲージメント率は以下のような計算方法で算出できる数値です。
- エンゲージメント率 =(いいね数+コメント数+保存数)÷ X
分母のXには「フォロワー数」「インプレッション数(投稿が見られた数)」「リーチ数(投稿を見た人数)」が入り、分析内容によって使い分けます。
例えばリーチ数を分母にすれば、投稿を閲覧した人がどの程度反応してくれたかを把握することが可能です。リーチ数を分母にしたエンゲージメント率が高い投稿はInstagramから質の高い投稿と判断されるので、より多くのユーザーに閲覧される可能性が高くなります。
エンゲージメント率を高めるためにはエンゲージメント数の向上が不可欠なので、Instagram運用ではエンゲージメント数・エンゲージメント率の両方を分析をしていくことが重要です。
SNSによって計算方法が異なるので注意
エンゲージメント率はInstagram以外のSNSでも分析に利用される指標です。しかし、SNSによってエンゲージメントの定義や分母に相応しい指標が異なるので、エンゲージメント率の計算方法にも違いがでてきます。
数種類のSNS運用を行っているのであれば、エンゲージメント率の算出方法を混同しないよう注意しましょう。
Instagramでエンゲージメント数を高める方法
Instagramでエンゲージメントを高める方法には、以下のようなものがあります。
- ユーザーのペルソナ設定からアカウントの方向性を決める
- ユーザーが求めている内容の投稿をする
- いいね数を獲得したいならリアクションされそうな画像を使用する
- ユーザーとのコミュニケーションが発生するような投稿をする
- 保存数を増やしたいならあとから見返したくなるような投稿をする
- 投稿の分析と改善を定期的に実施する
- 競合アカウントの投稿を分析する
詳しく見ていきましょう。
ユーザーのペルソナ設定からアカウントの方向性を決める
エンゲージメント率を高めるには、ペルソナ設定とアカウントの方向性を決めることが重要です。ペルソナとアカウントの方向性を明確にしておくと、ユーザーが求める情報やアカウントの世界観が明確になります。また、ペルソナからユーザーが使うことが多いアクションを推測することができるので、エンゲージメントに限らずKPIにすべき指標も見えてきやすいです。
結果的に具体的な投稿施策の設計や改善すべきポイントの決定要因になるので、ペルソナ設定やアカウントの方向性は運用をはじめる前にしっかりと設定しておきましょう。
ユーザーが求めている内容の投稿をする
エンゲージメント率を高めるには、ユーザーが求めている投稿内容にすることが重要です。ユーザーからのエンゲージメントを得るためには、ユーザーがアクションしたくなるような投稿をする必要があります。
実はペルソナ設定を行っていても、ターゲットに合わせた投稿ができていない企業アカウントは少なくありません。また、運用を続ける中で情報に一貫性がなくなるケースもあります。情報に一貫性がないと、ユーザーによっては不必要と感じる情報を届けることにもなりかねません。ユーザーは自身にとって不必要な情報にアクションを釣ることは少ないので、結果的にエンゲージメントを獲得できなくなる可能性が高いです。
エンゲーメント率の高い投稿を継続的に続けたいのであれば、ユーザーのペルソナから求められている投稿を明確にし、ターゲットを絞って情報発信していくのがおすすめです。
いいね数を増やしたいならリアクションされそうな画像を使用する
投稿のいいね数を増やしたいのであれば、写真や画像のクオリティにこだわりましょう。先に述べた通り、「いいね」は瞬間的にポジティブな感情を抱いたユーザーが利用することが多いアクションになります。
よって、いいね数を増やしたいのであれば、投稿の中でも占有率が高い画像のクオリティが重要です。特に写真の場合は撮影する角度や照明の有無によって被写体の印象が大きく変わります。
エンゲージメントの中でも「いいね」を増やしていきたいのであれば、競合の写真の撮影方法やInstagram内のトレンドも考慮しつつ、被写体が魅力的に映るように撮影することを心掛けましょう。
いいね数の増やし方については以下の記事で詳しく解説しています。
ユーザーとのコミュニケーションが発生するような投稿をする
投稿のコメント数を増やしたいのであれば、コメントによるコミュニケーションが発生するように投稿内容を工夫しましょう。
例えば、ユーザーに意見を求めるような投稿をすれば、ユーザーが自身の意見をコメントしてくれる可能性があります。自社商品に関する質問をすれば、商品の開発や改善に活かすことができて一石二鳥です。
また、特定のキーワードでのコメントを促すような投稿をするのも有効な手段です。例えば、投稿した画像が好みだったら特定の絵文字でコメントするように促せば、ユーザーが反応してくれる可能性があります。
以上のように、コメント数を増やしたいのであれば、ユーザーとのコミュニケーションが発生するような投稿をしてみましょう。
保存数を増やしたいならあとから見返したくなるような投稿をする
保存数を増やしたいときに意識すべきポイントが「見返したくなるかどうか」です。エンゲージメントとして扱われるアクションの中でも、投稿の保存はユーザーが「後から見返したい」と感じた時に使われることが多いです。
具体的には情報量が多い知識発信系の投稿や真似してみたいと思われるような投稿が保存される傾向にあります。また、商品やサービスに関する投稿に関しても、ユーザーが購入を検討している場合は保存されやすいです。
よって、保存数を増やしたいのであれば、画像内に文字情報を入れたり、画像を複数枚活用して情報量を増やすのが有効になります。
投稿の分析と改善を定期的に実施する
より多くのエンゲージメントを獲得するためには、定期的に投稿を分析し、投稿内容を改善していくことも重要です。
一定期間内で特定のエンゲージメントが高かった投稿や低かった投稿を分析し、エンゲージメント数が伸びた要因を掴むことができれば、以降の投稿でより効果的にエンゲージメントを獲得できます。
投稿の分析はInstagramのインサイトで行うこともできますが、投稿ごとの数値を並べての分析や、効果の高いクリエイティブの把握には分析ツールを利用するのがおすすめです。
競合アカウントの投稿を分析する
自社アカウントの投稿を分析する際には、競合アカウントも合わせて分析すると効果的です。競合アカウントの投稿を分析すれば、エンゲージメント数やエンゲージメント率の高い投稿を参考にできるほか、自社の投稿を分析しただけでは分からない改善点が浮き彫りになる可能性があります。
ただし、投稿を参考にするだけでは、エンゲージメントが増えた要因を掴むことができません。競合分析を行うときには、なぜ参考にした投稿のエンゲージメントが高いのか、仮説を立てて検証して行くことが重要です。
まとめ:Instagramではエンゲージメントの獲得が運用の成功に繋がる
エンゲージメントは「いいね」やコメント、投稿の保存といったユーザーのアクションをまとめた指標です。エンゲージメント数の高い投稿を分析すればユーザーの求めている投稿が把握できます。
また、エンゲージメント率の高い投稿はおすすめ欄や発見タブに表示されやすくなるため、Instagram運用ではエンゲージメント数やエンゲージメント率が高い投稿を分析することが重要です。
Instagram運用の目的を果たすためにも、エンゲージメントが増えやすい投稿の傾向を把握し、定期的に施策を改善していきましょう。