動きや音声によって効果的に商品の良さを伝えられるInstagramの動画広告。画像の広告よりもユーザーに認知されやすいというメリットもありますが、動画広告にはいくつか注意点もあります。
そこで、今回はInstagramの動画広告について、動画広告のメリットや方法についても詳しく解説します。Instagramで動画広告を有効活用したい企業アカウント運営者には有益な情報になるので、ぜひ参考にしてみてください。
Instagramの動画広告は4種類
Instagramの動画広告は以下の4種類です。
- フィード広告
- ストーリーズ広告
- ディスカバリー広告
- リール広告
それぞれの動画広告の種類を詳しくご紹介します。
フィード広告
フィード広告とはフィード投稿と同じ形式で表示される投稿のことです。他の投稿と同じように表示されるため、一見すると広告であると気づきにくく、ユーザーに不快感を与えづらくなっています。
一方で広告であるというアピールが少ないので、見過ごされやすいのがデメリットです。フィード広告を利用する場合は動画の内容を工夫し、ユーザーが思わず滞在してしまうような広告にすることが重要になります
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告は、ストーリーズ内で表示される縦長フルスクリーンの広告です。通常のストーリーズは24時間でアーカイブされてしまいますが、ストーリーズ広告の場合は時間経過で消えることがなく、配信している限りは表示されます。ストーリーズと同様画面全面に広告が表示されるので、ユーザーに認知されやすいことが大きなメリットです。
ディスカバリー広告
ディスカバリー広告は発見タブに表示される広告です。発見タブはユーザーがフォローしているアカウントや「いいね!」した投稿などに基づいて投稿が表示されるタブで、ユーザーが新しいコンテンツやアカウントを見つけるために使われます。
発見タブではユーザーが能動的にコンテンツを探しているので、広告がより積極的にユーザーに閲覧される可能性が高いです。
リール広告
リール広告はリールタブ上で表示される広告です。リールタブではユーザーが関心を持っているリールがアカウントをフォローしているかに関係なく流れます。よって、発見タブと同様、ユーザーの興味関心を引くことができれば、インパクトしやすいのが特徴です。
また、ストーリーズ広告と同様画面全面に広告が表示されるので、ユーザーから認知されやすいのもメリットといえます。クオリティの高い縦型動画を制作する手段があるのであれば、積極的に利用したい広告区分です。
Instagramの動画広告で推奨されているフォーマット
Instagramの動画広告で推奨されているフォーマットは、広告の種類によって異なります。それぞれの推奨フォーマットを解説します。
フィード広告
フィード広告のフォーマットは、アスペクト比「1:1」の正方形形式がおすすめです。フィード広告では、正方形 (1:1) 横型(1.91:1)縦型(4:5)の3種類が利用できます。
フィード広告はフィード上に表示されるので、他のユーザーの投稿形式に合わせた方が見栄えが良くなります。一般的には正方形の投稿が多いため、フィード広告も正方形にした方が違和感がなくなるでしょう。
動画ファイルの最大サイズは250MBで、フィードで表示できる動画広告の長さは最大60分です。キャプションは、2,200文字まで含めることができます。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告は、アスペクト比「9:16」の縦型形式がおすすめです。ストーリーズ広告では、スマホの縦型画面全面に表示することで。ユーザーに強い印象を与えることができます。
また、動画ファイルの最大サイズは250MBで、フィードで表示できる動画広告の長さは最大60分です。
ストーリーズの上下部にはアカウント名や「詳しくはこちら」というボタンが表示されます。よって、画像内のコンテンツは中央に寄せるよう工夫することが重要です。
ディスカバリー広告
ディスカバリー広告にはアスペクト比「1:1」の正方形形式がおすすめです。動画ファイルの最大サイズも250MBで、表示されるイメージはフィード広告と同様になります。そのため、推奨フォーマットもフィード広告と同じです。
リール広告
リール広告は、アスペクト比「9:16」の縦型形式がおすすめです。リールもストーリーズと同じく縦型ショートなので、「9:16」が推奨になります。通常のリールと同様で、広告の長さは最大90秒です。
Instagramの動画広告には4種類の課金形式がある
Instagramの動画広告は、以下の4種類の課金形式です。予算や配信期間を設定して、課金形式を設定します。Instagram動画広告の課金形態は4種類に分類されます。
- CPC(クリック課金)
- CPM(インプレッション課金)
- CPV(再生数課金)
- CPI
それぞれの課金形式を詳しく見ていきましょう。
CPC(クリック課金)
CPCはユーザーが広告をクリックした際に課金されるコストです。相場は1クリックで40〜100円ほどになります。ユーザーに反応された数だけ課金されるシステムなので、商品の購入を促すような広告に使うと良いでしょう。クリック率は、広告がユーザーにどれだけ興味を持たれたかの指標になります。
CPM(インプレッション課金)
CPMは、広告が画面に表示された数の1,000件ごとにかかるコストです。相場は1表示あたり、0.5〜1円ほどになります。ユーザーの反応に関係なく表示されただけで、コストがかかるのが特徴です。商品の認知拡大に多く使われています。
CPV(再生数課金)
CPVは、動画広告が1回再生された際に課金されるコストです。相場は1再生あたり4〜7円ほどになります。動画は10秒以上再生されるたびに課金が発生するシステムです。動画広告で使用される形態で、企業ブランドの宣伝にも多く使用されています。
CPI(インストール課金)
CPIは、広告によってアプリがインストール(ダウンロード)された際に課金されるコストです。相場は、1インストール100〜150円ほどになります。スマホアプリのインストールを進めたい際におすすめの課金形態といえるでしょう。
Instagram動画広告のメリット
Instagram動画の広告のメリットはいくつかあります。具体的なメリットは以下の通りです。
- 低予算から出稿できる
- Instagram上でのユーザーの行動を基にして広告が表示される
- 広告の出稿場所が多い
- 画像の広告よりも認知されやすい
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
低予算から出稿できる
Instagramの動画広告は低予算で出稿できます。Instagram広告は最低100円から出稿できるため、少ない予算でも広告が出稿することが可能です。
現実的に効果が出る予算でも1日数千円、1か月3万円ほどです。まずは低予算で始めてみてターゲット層が絞れ始めたら、本格的に広告を出稿するという方法も良いでしょう。
Instagram上でのユーザーの行動を基にして広告が表示される
広告はInstagram上でのユーザーの行動を基にして表示されるのが特徴です。ターゲティングしたユーザー以外に広告が表示されることがないため、費用対効果が高くなりやすくなっています。
裏を返せば、ターゲティングが適切でないと、想定とは全く違うユーザーに広告が表示されてしまう可能性が高いです。Instagram広告を利用する際は、ユーザーのターゲティングはしっかりと行いましょう。
広告の出稿場所が多い
Instagramには広告の出稿場所が多いので、効果的な出稿場所が選択可能です。フィード・ストーリーズ・ディスカバリー・リールなど、表示する場所によって効果的な広告が異なります。
自社アカウントの企業ブランドや商品、広告のイメージによって、効果的な出稿場所を選べるのがメリットだといえるでしょう。
画像の広告よりも認知されやすい
動画広告は画像の広告よりも認知されやすいのもメリットです。動画は動きと音声があるので、画像広告よりインパクトを与えることができます。なるべく動画を長く再生してもらえるように、最初の方に動きや音声があると良いでしょう。
Instagramで動画広告を配信するまでの流れ
Instagramで動画広告を配信するまでの流れは以下の通りです。
- Instagramのアカウントをプロアカウントに切り替える
- InstagramとFacebookを連携させる
- 広告アカウントの設定をする
- 広告セットの設計をする
- 広告を制作する
- 支払い設定をする
それぞれのプロセスを詳しく見ていきましょう。
Instagramのアカウントをプロアカウントに切り替える
まず、Instagramのアカウントをプロアカウントに切り替えましょう。方法は以下の通りです。
1.プロフィールからメニューを開き、「設定」をタップする
2.アカウントを選択し、「プロアカウントに切り替える」をタップする
上記の方法でプロアカウントに切り替えることができます。企業アカウントでプロアカウントに切り替えていない場合は、上記の方法で切り替えましょう。
InstagramとFacebookを連携させる
InstagramとFacebookのアカウントを連携させます。方法は以下の通りです。
- プロフィール画面から「プロフィールを編集」をタップ
- 「ページ」を選択
- Facebookのログイン画面が表示されるのでログイン
上記の方法でInstagramとFacebookを連携させることが可能です。
広告アカウントの設定をする
Facebookの設定画面から広告アカウントの設定をします。メニューから「広告マネージャ」を選択して、キャンペーン内の「+作成」から新しいキャンペーンを作成しましょう。
キャンペーン内容を認知・検討・コンバージョンの中から、商品に合ったものを選択します。そのあとは、キャンペーン名と詳細情報、予算などを決めていきます。
広告セットの設計をする
基本的な設定が終わったら、広告セットの設計をします。ターゲティング方法や広告の配置の設定を行いましょう。そのまま、広告を配信する日程と予算も選択します
オーディエンスは「カスタムオーディエンス」もしくは「類似オーディエンス」を選びます。配置の設定画面では自動配置と手動配置のどちらかを選びましょう。自動配置は配信できる場所すべてに広告を配置します。
広告を制作する
静止画で新規広告を作成する手順と同様に、広告を制作します。 広告の設定画面では、Instagram のアカウントが紐づいてることを確認しましょう。また、画面右側に表示されるプレビューでユーザーへの見え方がチェックできます。
支払い設定をする
最後に支払い設定をしましょう。「支払い方法の追加」を選択して、クレジットカードやデビットカードの情報を入力すれば完了です、
Instagramの動画広告を制作する際のポイント
Instagramの動画広告を制作する際のポイントは以下の通りです。
- 広告出稿の目的を明確にする
- 短時間で趣旨が伝わるようにする
- 動画時間を広告出稿場所にある投稿に合わせる
- 広告感が出過ぎないよう注意する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
広告出稿の目的を明確にする
広告出稿の目的を明確にして制作しましょう。企業ブランドの認知拡大・商品のPR・ブランディングなど広告の広告の目的によって、予算や出稿場所、動画広告の制作の方法も異なります。最初に目的を明確にして、目的を達成するための広告を制作するようにしましょう。
短時間で趣旨が伝わるようにする
動画広告は短時間で趣旨が伝わるようにしましょう。動画広告は途中で離脱されたら、広告の意図が伝わらないまま終わってしまいます。
ユーザーに動画を最後まで見てもらうために、短い時間の中で広告の意図を伝えましょう。ストーリーズを基準とした15秒以下の動画であれば、最後まで見てもらえる可能性が増えます。
動画時間を広告出稿場所にある投稿に合わせる
動画時間は広告出稿場所の投稿に合わせましょう。フィード投稿であればある程度時間を取ってもらえる可能性がありますが、リールやストーリーズはほとんどの投稿がショート動画です。
動画が長いとタップで次の投稿に遷移されてしまう恐れがあるため、その場所の投稿に合わせた動画時間で広告を出稿しましょう。
広告感が出過ぎないよう注意する
Instagramはユーザー同士が投稿を共有したりコミュニケーションを取る場です。そのため、広告が表示されるとユーザーに不快感を与える可能性があります。
よって、広告を作成する際はInstagramの世界観から逸脱しないように注意しましょう。ターゲットユーザーが普段閲覧している投稿の傾向が分かっているのであれば、内容を合わせることで効果的なアプローチが可能です。
まとめ:動画広告はユーザーに印象を与えやすい。ただし、出稿場所によって工夫が必要になる。
動画広告はユーザーに対して強い印象を与えられるのがメリットです。低予算で出稿できますし、出稿できる場所が豊富なのも特徴。画像だけの広告よりも認知されやすいでしょう。
ただし、動画広告は表示される場所によって、動画時間やアスペクト比を変更する必要があります。また広告感が出過ぎないようにするのも注意点です。動画広告を有効に活用して、自社アカウントのブランド、商品を効果的に宣伝しましょう。