企業にとってInstagramを活用する目的は様々だと思います。ただ、運用目的に合わせてひとつひとつの投稿を戦略的に考えられている企業は意外と少ないものです。そこで、目的に合わせてどんなところを意識しながら投稿を作るべきか、訴求ポイントと事例を紹介します!
運用目的に沿って投稿するメリット
ターゲットや獲得したい層に対して投稿やアカウントが届きやすくなる
ユーザーの性別や年齢によって気になる投稿は違ってきます。よくある例として、20代向けに発信していたにも関わらず蓋を開けたら30代フォロワーが多かったという、獲得したいターゲット層と実際のユーザーがずれていたというがことがあります。これは、目的と投稿内容の不一致から起こってしまうことです。
運用目的に合わせて投稿をすることでターゲットユーザーに投稿が届きやすくなったり、反応してもらいやすくなるというメリットがあります。
フォロワー数にとどまらず、より期待する成果が得られやすくなる
例えば、商品購入を目的としているもののInstagram上に商品の写真が1枚もなかったら、ECサイトをチェックしようとは思わないですし、欲しいという気持ちにもなりません。
ユーザーの態度変容には投稿の内容が一番影響するため、目的に沿った投稿ができればビジネスにしっかりインパクトする運用が可能になります。
投稿の目的を明確化する
Instagram運用において、まずは自社カウントの運用目的を明確にすることがとても大切です。なぜなら、目的によってすべき投稿やアカウント設計は異なるからです。
目的達成しにくいアカウントになってしまうことを防ぐためにも、Instagramを通してどんなことを達成したいか、どんな目的で運用すべきか下記の項目を参考に明確にしてみましょう。
【運用目的例】
- ブランディング
- ファン化
- 商品購入
- 認知拡大
- 来店数増加
- 採用
運用目的別の訴求ポイントと事例紹介
ブランディングが目的の場合
【訴求ポイント】
Instagramはビジュアル訴求のツールであるため、ブランディングしやすいところは大きな特徴のひとつです。そのため、ブランディングを目的としている場合商品やサービスの雰囲気、イメージが一目でわかるような投稿を作成することが大切です。投稿画像で世界観を表現し、競合他社との差別化や独自の付加価値を伝えてブランディングしましょう。
【事例】
雪肌精 SEKKISEI Global 参考:@sekkisei.official
雪肌精は、商品にマッチしたシンプルで上質な世界観を表現している化粧品メーカーです。「性別や年齢を超え、使っていただけるスキンケアブランド」というコンセプトから、男女どちらからも好感を得られやすい爽やかなビジュアルや自然、植物などを使用した投稿が多く、ブランドコンセプトと投稿の世界観がマッチしているところが特徴です。
【参考ポイント】
- 商品を引き立てるおしゃれな投稿画像でしっかりとブランディングできている
- キャプションはわかりやすい商品紹介だけでなく、客層に合わせて英語でも紹介
ファン化が目的の場合
【訴求ポイント】
Instagramは共感性の高いSNSという特徴もあるので、共感を生むような投稿がファン作りにも繋がります。ファン化を目的としている場合、画像はもちろん投稿内容にも注力し、共感性を高めるような内容やもっと知りたい、応援したいと相手の感情を動かすような投稿を心がけてみましょう。
また、コメントやストーリーズの質問機能などを上手に使ってユーザーとコミュニケーションを取ることもおすすめです。
【事例】
ゼスプリキウイ公式 参考:@zespri_jp
ゼスプリキウイ公式は、商品そのもの以外に独自のキャラクターの露出で競合との差別化をしているアカウントです。ファンの多いキャラクターの画像を前面に出すことで、親近感や共感性を生み出しファンを増やしています。
【参考ポイント】
- 季節のイベントと連動した投稿で、キャラクターと同じ日常を過ごしているかのような共感性
- キャラクターのプレゼント企画、カレンダー画像の配布などファンが喜ぶ企画も実施し、ハイライト機能もうまく使っている
商品購入が目的の場合
【訴求ポイント】
商品購入を目的としている場合は、投稿内で商品の機能的価値と情緒的価値の両方を伝えることが大切です。機能的価値とは便利・実用的といった機能性のことで、情緒的価値とはおしゃれ・可愛いなどその商品やサービスから受ける印象のことです。両方を満たすことでユーザーも商品を購入する理由がより明確になり、購入に繋がりやすくなります。
また、商品を訴求する場合は商品購入に繋がる導線も必ず記載しておきましょう。例えば、プロフィールページのリンクにオンラインショップのURLを掲載し誘導する、投稿にショッピングタグをつけるといったことが有効的です。
【事例】
キリンビール 参考:@kirin_brewery
キリンビールのアカウントでは、ビールだけではなくワインやチューハイなどターゲット層も幅広い商品を取り扱っているにもかかわらず、統一感のある画像と世界観でわかりやすく商品イメージを伝えているところがポイントです。
【参考ポイント】
- 写真と文字入れで商品ごとの利用シーンが一目でわかる商品訴求
- お酒に合うおつまみの紹介や、レシピなど参考になる情報(機能的価値)も豊富
認知拡大が目的の場合
【訴求ポイント】
認知拡大を目的としている場合、投稿する前に他社の投稿でリーチが伸びているものを分析してみましょう。多くの画像の中から思わず目に止まりやすいものをアップすることや、検索に引っかかりやすいハッシュタグをつけることも大切です。
【事例】
Kurashiru [クラシル] 料理・献立・レシピ 参考:@kurashiru
Kurashiruは、つい保存して真似したくなるレシピ投稿を毎日継続して投稿することで認知を拡大しているアカウントです。
自社サービス(アプリ)への訴求の相性がいいため、認知を拡大するだけではなく自社サービスの会員数アップにも大きな役割を果たしています。
【参考ポイント】
- 簡単で真似しやすいレシピが多いため思わず作りたい、保存したいと思える投稿が多い(いいねや保存が増え、エンゲージメントも高まる)
- ユーザーに刺さる投稿を毎日続けることでリーチも伸びやすく、アプリ訴求への導線もわかりやすい
来店数増加が目的の場合
【訴求ポイント】
実店舗やイベントのポップアップなどの来店数増加を目的としている場合、店舗やスタッフの雰囲気、リアルタイムの店舗や商品の状況がわかるよう意識して投稿を作成しましょう。実際に足を運びたいと思えるような商品訴求や、雰囲気を伝えることが大切です。
【事例】
サーティーワンアイスクリーム【公式】 参考:@31icecream_japan
実店舗での商品販売がメインのサーティーワンアイスクリーム。カラフルでポップなアイスを種類豊富に取り揃えている様子がInstagramでも表現されています。
【参考ポイント】
- 商品と投稿の世界観がマッチしている
- 一目でアイスの種類やフレーバー、季節限定のイベント商品がわかり来店へと訴求している
採用が目的の場合
【訴求ポイント】
一緒に働く仲間を募る採用が目的の場合、実際に働く自分や一緒に働く仲間をイメージできるよう伝えることが大切です。社風や実際のオフィスの様子、社員のリアルな声の紹介なども効果的な訴求になります。
【事例】
株式会社リクルート公式 参考:@recruit___official
株式会社リクルートのアカウントは自社の採用はもちろん、人材会社として顔が見える、思いが伝わることで安心感を与えられえるところがポイントです。
【参考ポイント】
- 企業ロゴに合わせた画像の文字れでブランディング
- 実際に働く人の写真、思い、経験を画像とキャプションで詳細に伝えている
まとめ:効果的な投稿内容を作るためには、目的に沿った訴求から考えることが必須
効果的な投稿内容を作るために、まずはInstagramを運用してどんな成果を得ることが目的なのか明確にすることが重要です。
今回紹介した実際にうまくいっている企業アカウントは、一目で伝えたいことがわかるような投稿になっていたり、画像やキャプションもユーザーに刺さるよう工夫されているものがほとんどです。目的を明確にした上で、うまくいっている事例を参考にしつつ訴求したいポイントから投稿内容を考えてみましょう。
その際、今までの投稿スタイルから一時的に世界観が変わっても問題ありません。どんな投稿が成果に繋がりやすのか、PDCAを回して自社アカウントに合った投稿スタイルを見つけていくことが大切です。