SNSには足跡機能と呼ばれる投稿を閲覧したユーザーを特定できる履歴のような機能があることが多いです。足跡機能を活用すれば自社の投稿を頻繁に閲覧しているユーザーや、リアクションをしてくれているユーザーが分かるので、ユーザー層の分析に利用できます。
Instagramには足跡機能は存在しません。しかし、特定のアクションに対する履歴は確認できるので、履歴からユーザーの分析が可能です。
今回はInstagramで足跡機能のような履歴が残るアクション、履歴が残るメリットや履歴が残らないアクションについて詳しく解説します。Instagramのアカウント運営者・投稿を閲覧するユーザー双方にとって有益な記事になっているので、ぜひ参考にしてください。
Instagramには足跡機能は存在しない
まず知っておきたいこととして、Instagramには足跡機能が存在しません。そもそも足跡機能とは、多くのSNSで採用されている行動履歴を確認できる機能です。足跡機能があるSNSでは、ユーザーを自社アカウントの投稿やプロフィールに残した履歴からユーザーの傾向などを分析できます。
自社アカウントや投稿に興味を持っているユーザーの属性を分析できるので、施策の考案や改善に役立てることが可能です。
閲覧履歴がつくアクションは存在する
Instagramには足跡には存在しませんが、一部の機能では足跡のように閲覧履歴を確認できるアクションが存在します。閲覧履歴が確認できるアクションではユーザーを個人単位で把握できるので、特定のアクションを行うユーザーの属性を把握することが可能です。
ユーザーの属性を分析することはInstagram運用において重要になります。例えば投稿ごとのユーザーの属性を分析すれば、発信している情報や投稿の構成によってユーザー層がどのように変化するのかを把握可能です。
また、閲覧履歴をつけているユーザーが想定しているユーザー層と大きく異なる場合、施策の改善を検討できます。想定していないユーザー層から反応が良い施策を続けてしまうと、仮にフォロワーが増えたとしても以降の施策につながらない可能性が高いです。結果的にInstagramアカウントの運用目的を達成できない可能性があるので、閲覧履歴からユーザーの属性をしっかりと把握しておくことが重要になります。
Instagramで足跡のような履歴が残る5つのアクション
Instagramで足跡のような履歴が残る5つのアクションは以下の通りです。
- アカウントをフォローする
- ダイレクトメッセージ(DM)の閲覧
- インスタライブの視聴
- 投稿へのいいねやコメント
- タグ付けやメンション
それぞれのアクションを詳しくご紹介します。
アカウントをフォローする
アカウントのフォローは履歴が残る行動の1つです。プロフィールからフォロワー一覧を確認すれば、自社アカウントをフォローしたユーザーを確認できます。
Instagram運用において、フォロワーの属性を理解することは重要です。特にフォロワーが自社の想定しているターゲット層であるかは、定期的に確認することをおすすめします。一定期間内で増えたフォロワーが自社の想定しているターゲット層でなかった場合は、施策の改善が必要です。
逆にターゲット層が自社の想定したものと合っているのであれば、施策の方向性は間違っていないといえます。よって施策の方向性を変えずに改善をしていくことでより効率的に目的の達成が可能です。
ダイレクトメッセージ(DM)の閲覧
DMには既読を表示する機能があるため、メッセージが確認されたかどうかを確認できます。ただし、DMを閲覧しても相手に通知が届くわけではありません。メッセージを送信したアカウントがDMを閲覧したかどうかは逐一確認しなければならないので注意が必要です。
既読の表示はDMメッセージの下部に表示されます。また、複数のアカウントが参加しているグループチャットでは、最新のメッセージを既読したユーザーネームが表示されます。よって、複数のアカウントが参加しているグループチャットでも、メッセージを閲覧したアカウントを確認することが可能です。
インスタライブの視聴
インスタライブをリアルタイムで閲覧すると、配信者と閲覧しているユーザーに参加の通知が届きます。インスタライブのメッセージ欄に新しく参加したアカウントのユーザーネームがリアルタイムで表示されるため、配信者と視聴者はライブを視聴しながら参加しているユーザーを把握することが可能です。
また、インスタライブの画面上部の「目のアイコンマーク」をタップすると、リアルタイム視聴者が一覧で表示されます。ライブ終了後のアーカイブでは閲覧者数のみを確認することが可能です。
投稿への「いいね」やコメント
投稿への「いいね」やコメントは、自分がその投稿を閲覧したという足跡のような機能ともいえるでしょう。いいねをしたユーザーを分析すれば、投稿に対して好意的に受け止めたユーザーの数や属性を分析できます。
コメントの場合は好意的な反応ばかりでなく投稿に対しての意見や質問の場合もあるので、内容もチェックしましょう。コメント内容を好意的なものと否定的なものに分け、それぞれのユーザー層を分析すれば、ユーザー層による投稿の嗜好が分かります。比較的幅広い層をターゲットにしている場合は、分析してみて損はないでしょう。
タグ付けやメンション
タグ付けやメンションしたユーザーには通知が届きます。投稿で紹介やアプローチをしたユーザーに通知を残せるので、一種の足跡のような機能です。
企業の場合はタグ付け・メンションされた際に通知を確認することで、自社アカウントを紹介してくれた熱量の高いユーザーが分かります。リポストで自社のコンテンツ拡充につなげられるほか、タグ付けやメンションされた投稿に「いいね」やコメントなどをすることで、投稿したユーザーとの親密度を上げることが可能です。
Instagramで足跡のような履歴を確認するメリット
Instagramで履歴を確認するメリットは以下の通りです。
- 履歴からアカウントのファンの傾向がわかる
- 履歴からロイヤリティが高い顧客にアプローチできる
履歴を確認することで、アカウントのファンの特定ができたりと、アカウント運営に役立つ情報を得ることが可能です。それぞれのメリットを詳しくご紹介します。
履歴からアカウントのファンの傾向がわかる
ストーリーズの閲覧履歴や投稿にリアクションしたユーザーを確認することで、自社アカウントの投稿に好意的なユーザーの傾向を分析できます。ユーザーの傾向が自社で想定しているターゲット層と同じであれば、同じような投稿を続けることで同様の傾向を持ったフォロワーを獲得できる可能性が高いです。
もし自社の投稿に好意的なユーザーが自社のターゲット層から外れている場合は、投稿の内容を見直す必要があります。以上のように、履歴を確認してユーザーの分析を行えば、自社アカウントの運用方針を改善することが可能です。
履歴からロイヤリティが高い顧客にアプローチできる
ロイヤリティが高い顧客にアプローチする際にも各機能の履歴は便利です。特にタグ付けやメンションの通知には目を光らせておくことをおすすめします。
多くの場合、企業アカウントがタグ付けやメンションをされるのは、ユーザーが商品やサービスに関する投稿をした時です。Instagramでは文章よりも写真や動画の占有率が高いため、投稿を行うためには実際に商品やサービスを購入し、使用する必要があります。
つまり、自社アカウントをタグ付けやメンションしてくれるユーザーは、自社の商品やサービスの愛用者である可能性が高いです。加えて、商品やサービスに関する投稿をしてくれることから熱量の高いユーザーであると分かります。
先述の通り、熱量の高いユーザーはUGCを生み出してくれるので、フォロワー外のユーザーの認知度向上に繋がる可能性が高いです。加えて、熱量の高いユーザーに商品やサービスに関する意見を聞くことで、後の商品開発やサービスの改善に役立てられる可能性があります。
Instagramで足跡のような履歴が残らないアクション
Instagramで履歴が残らないアクションは以下の通りです。
- フィード投稿・リールの閲覧
- プロフィールの閲覧
それぞれのアクションを詳しくご紹介します。
投稿の閲覧
Instagramでは投稿を閲覧しても履歴が残りません。よって、投稿を閲覧したユーザー全体の傾向を把握することは難しくなっています。ただし、投稿にリアクションしたユーザーを確認することはできるので、投稿に対して好意的なユーザーの傾向を把握することは可能です。
プロフィールの閲覧
プロフィールには閲覧履歴が存在しません。よって、プロフィールを訪問したユーザーの傾向を把握することは困難です。よって、基本的にプロフィールの分析する際にはプロフィールアクセス数やフォロワー転換率、自社サイトへの流入数などを参照することになります。
Instagramには足跡のような履歴を消す方法がない
Instagramには、一度つけてしまった閲覧履歴を削除する機能はありません。誤タップなどで誤って閲覧したユーザーも履歴を削除できないので、分析の際にノイズになりやすくなっています。
よって、閲覧履歴をもとにユーザーの傾向を分析したいのであれば、誤って閲覧したユーザーによって結果が大きくずれないよう、ある程度母数が集まってから実施するのがおすすめです。
アカウントを削除すれば閲覧履歴も消える
Instagramのアカウントを削除すれば、相手の閲覧履歴から自分のアカウントを消すことが可能です。逆に言えば、閲覧履歴から消えたアカウントがあればアカウントが削除されていることになるので、Instagramの仕様として覚えておきましょう。
まとめ:Instagramには基本的に足跡機能はない。ただし、相手に閲覧が伝わる機能もあるので注意が必要
Instagramには基本的に足跡機能はありませんが、一部の機能では閲覧履歴を確認できます。各機能の閲覧履歴を活用すれば、投稿を閲覧しているユーザーの属性や、熱量の高いユーザーを把握することが可能です。閲覧履歴をはじめとしたInstagramで確認できる数値をしっかりと把握し、適切な分析を行うことで、より効果的なアカウント運用を目指しましょう。